テーマ

マクロおよびメゾな視点からの非線形偏微分方程式の研究,及び応用分野とのインターフェースの構築

概要

マクロな視点にたった流体の数学解析

  1. 関数解析的手法、実解析的手法、フーリエ制限法、計算機援用証明法、変分法、粘性解の手法など我々のグループを中心してこれまで培われてきた方法をさらに深化・発展させ、さらに非線形楕円形方程式の新たなる手法を導入し、ナヴィエストークス方程式や非線形シュレディンガー方程式の定常解の存在と解の無限遠方での挙動に関する研究を行う。
  2. 定常解の安定性理論を構築する。とくに変数係数線形偏微分作用素のスペクトル解析に対し本質的に新しい方法を開発し、いままで未解決である安定性理論に新展開をあたえる。さらに、機械科学・航空学科との共同で空力騒音問題などに対する未解決問題に共同で挑戦する。
  3. 自由境界をもつ流体運動の数学解析を行う。最大正則性原理を深化・発展させるた方法を用いる。また2と同様にスペクトル解析により解の時間無限遠方での漸近挙動の解析を行う。応用との関連は混相流の数学解析であり、混相流の複雑な流れを解明する第一歩として、ベンチマークとなるような現象とその数学解析を機械科学・航空学科との共同研究で行う。
  4. 低音の液体ヘリウムの超流動層やBose-Einstein 凝縮体の力学を記述する非線形シュレディンガー方程式の研究を行う。とくに関数解析的手法、計算機援用証明法、粘性解の理論などの手法を基盤とする数学解析を行う。

メゾな視点にたった流体の数学解析

  1. 分子運動論的な立場から水分子の運動を考察すをし、微視的な原子・分子描像と巨視的な連続体描像の間の本質的な相違点および共通点を浮き彫りにする。
  2. 分子運動の全体の空間の数学的設定を行い、不変確率測度を導入し、エネルギー汎関数を定義し、変分的な方法による流体数学の方程式の導出を行う。
  3. 水中における水泡の発生や、キャビテーションなどの流体工学の未解決問題に機械科学・航空学科との共同研究で挑戦する。
  4. ナノ流体中の化学反応などの数学モデルの構築を応用化学科との共同研究で行う。